南フランスの夏

4.アンティーブ

アンティーブ

アンティーブ
ニースからアンティーブまでは列車で30分ほど。駅前にでると日差しが強い。すぐ向こうは港になっていて、大小さまざまなヨットでぎっしり埋まっている。
遠く左手に中世の城砦が見える。右手の方へすすむ。城壁があり、そこへ入ると旧市街地になる。大きな屋根のある公設市場がすぐ目の前にあった。その左手の裏側にピカソ美術館がある。小さなお城の館がそのままピカソ美術館になっている。公設市場の先に公園全体がそっくりレストランになったところがある。緑の木陰になっていて、とてもいい雰囲気だ。
ペイネ美術館は、普通の民家に入っていくみたいな、いかにも小さな美術館だ。ペイネの絵は一見の価値がある。日本人にも人気の高いメルヘンチックな可愛らしい絵だ。大人が忘れかけた童心、古き良き時代を呼びさましてくれる絵のオンパレードだ。

5.カーニュ・シュル・メール

カーニュ

カーニュ・シュル・メール
ニースから列車に乗って30分ほどでカーニュ・シュル・メール駅に着く。歩いてルノワール美術館を目指す。古い門の内側はなだらかな斜面全体がオリーブ林になっている。
下のほうに見える洋館こそ、ルノワールが晩年を過ごした自宅だ。アトリエがそのまま残っている。かつては4ヘクタールも敷地があったというが、今はその半分。それでも十分に広い。レ・コレット(小さな丘)という愛称がついている。はるか遠くに海が見える。爽やかな風が吹き渡り、いい気分だ。
ルノワールはリュウマチのため不自由な身体になっても、車イスに乗って最後まで絵を描き続けたという。アトリエには愛用のパレットやモデルとなった娘さんの衣装がそのまま展示されていた。

6.ヴァンス

ヴァンス
ニースの長距離バスターミナルでヴァンス行きのバスに乗り込む。料金は終点までなんと1ユーロ。路線バスなので、ニースの市街地でも、途中の停留所でも、乗客が降り次々に乗り込んでくる。ニース市街地では少々渋滞もしたが、やがて順調に走って行く。田園地帯に入るうちに、低い山並みが見えてくる。
終点のヴァンスに着いたのは昼。ヴァンスについて、小さなみすぼらしくて何もないような村を想像していたところ、とんでもない。大きな近代的市街地が広がっていた。
バス停付近は広々とした公園になっていて、そこから右手のほうへ歩いていくと旧市街地にぶつかる。ぶらぶらと歩いて旧市街地に入ると、なるほど古い建物と狭い道路の町並みだ。

ヴァンス

サン・ポール
ヴァンスからサン・ポールまではバスで10分もかからない。サン・ポールは、ニースから向かう道でいうと、右手のほうに丘のような城砦のようなものが突然に浮かび上がってくる。宮崎駿監督の映画「天空の城、ラピュタ」を見ている錯覚に襲われる。この世のものとは思われない空中楼閣だ。ヴァンスからのバスを降りると、左手に歩いて行く。はじめは少し坂道を下る感じで歩いていくと、すぐ右手に広場が見える。そこから先にすすむと、狭い路地のような通路となる。両側には絵画の店、ワイン・ショップ、ラベンダーの売店など、たくさんの観光客向けの店がぎっしりたち並んでいる。


観光客の話すのはフランス語より、ドイツ語やイタリア、スペイン語が多い気がする。もちろん英語も聞こえてくる。古い中世の町をそのまま残すと、それ自体が観光地
になることを実感させられる。サン・ポールは16世紀から続く古い村だ。狭い路地を歩いていると、中世の町に本当にタイムスリップしてしまった気分になる。

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