南フランスの夏

7.エクサンプロバンス

エクサンプロヴァンス
ニースからTGVに乗り、マルセイユに着く。そこでエクサンプロヴァンス行きの列車を探す。マルセイユから1時間あまりで、エクサンプロヴァンスの駅に着いた。
住宅街に面した小さな駅だ。駅前でタクシーでホテルに向かうつもりだったが、タクシーがいない。いや、車はあるけれど、運転手がいない。近くにいた若い女性に尋ねると、ここではタクシーは電話で呼ぶものらしい。あいにくテレカルト(テレホンカード)を持っていない。仕方がないので「歩いて15分」という女性の言葉を信じて、重たいスーツケースを引きずりながら歩き出した。
ホテル「ル・ピゴネ」は、町の中心部からは少し離れた高級住宅街にある。19世紀には貴族の別荘だったというが、なるほど広々とした庭に由緒ありそうな2階建て洋館がそっくりホテルになっている。緑の庭園が素晴らしい。

ミラボー大通り

ミラボー大通り
町へ歩いて出る。20年ぶりのエクサンプロヴァンスだ。ちっとも変っていない。ミラボー大通りの出発点にはドゴール広場があり、そこの大噴水はロトンドという。
ミラボー大通りの両側には樹齢500年以上だというプラタナスの巨木が勢いよく葉を繁らせている。おかげで、広い通りはほとんど木陰になって過ごしやすい。エクサンプロヴァンスは15世紀に大学ができたというほど歴史のある町だ。町自体は紀元前ローマ時代から存在していた。
夏に雨が降ることはほとんどないのに、町のいたるところに噴水があり、とうとうと豊かな水量の水が流れている。なかでも有名なのは、「四つのイルカ」だ。ここは20年前にも何回となく来た思い出がある。ミラボー大通りは、いつ来ても大勢の人でにぎわっている。歩道のところには出店がずらりと並び、いろんなものを売っている。

8.アヴィニヨン

アヴィニヨン

アヴィニヨン
アヴィニヨンTGV駅に着いた。駅舎のなかをウロウロしたため駅前からシャトルバスに危うく乗りそこねるところだった。スーツケースを持ち上げバスに乗り込むと、日本人女性が一人、先に乗っていた。アヴィニヨン駅前まで10分あまり。バスを降りてホテルを探す。駅前には古い城門があり、その前から通じる大通りの左手カフェー・レストランのすぐ裏手にあるホテルだ。駅にすぐ近いので、何かと便利。「クワトル・サン・ルイ」ホテルは古い修道院の内部を改装したというホテルだが、泊る部屋のほうは近代的な室内になっている。部屋で一休みして、駅前大通りをぶらぶら歩いていく。ここも両側にプラタナスの巨木があり、エクサンプロヴァンスに似た雰囲気だ。突き当りは行き止まりになっていて、市庁舎の前にはメリーゴーランドのある広場がある。

9.アルル

アルル
アヴィニヨン駅から急行列車に乗り、20分あまりでアルル駅に着く。駅舎にある観光案内所で町の地図をもらい、アルルの旧市街を目指す。キャンピングカーがいくつも停まっているのを横目で見ながら5分も歩いていくと、こわれかけた古い門がある。ここから内側が旧市街だ。昔の城壁の一部が残っている。旧市街の真ん中に市庁舎があり、その裏にある広場に面したホテル「ノール・ビニュ」に入る。ここは闘牛士たちも泊る由緒あるホテルだ。早速、アルルの町の探訪に出かける。
円形闘技場はもちろんローマ時代のものだ。学生時代にみた映画「ベンハー」を思い出す。前に来たときよりも改修工事がすすんでいるようだ。巨大な石造りの闘技場のなかで人間同志、そして人間と猛獣などがどちらか死ぬまで闘わされたという。残酷な見世物だ。

ゴッホのはね橋

ゴッホのはね橋
ゴッホのはね橋は、アルルの市街地から案外遠い。ガイドブックには3キロはなれているとある。工場や倉庫の立ち並ぶ一帯のはずれに位置している。20年前にアルルに遠足で来たとき、近くにあると思って一人で歩きはじめたことがあった。もちろんたどり着くはできず、途中であきらめたのだけど、今回タクシーに乗って、それがいかに無謀なことだったか自覚させられた。とても歩いていけるようなところではない。だいいち目印もないから、きっと迷子になってしまうだろう。
はね橋の周囲は原野のようだ。観光客はこないのか、休憩所も何もない。今あるはね橋はゴッホの描いたときのものでなく、観光客向けに再現したものだ。

このページのトップへ